Interview

鈴木 隆樹
Takaki Suzuki

第二金融部
保険・共済
パートナー

1993年中央青山監査法人入所。2006年、あらた監査法人の設立と同時に移籍。主に保険会社の会計監査を担当しながら、デューディリジェンス、内部監査業務、ガバナンスなどのアドバイザリー業務にも携わる。PwCニューヨーク事務所への出向や、早稲田大学大学院会計研究科の非常勤講師を務めるなど、多彩なキャリアを持つ。

保険という専門性

われわれ第二金融部は、保険会社に対する監査サービスおよびアドバイザリーサービスの提供を行っています。PwCはグループ全体で、世界有数の保険会社の多くをクライアントとして抱えており、保険クライアントを担当する第二金融部は、日本の監査法人における保険会社に向けたサービスでは最大級の規模を誇ります。一般的にはあまり知られていないと思いますが、日本の保険市場は世界でも非常に大きく、「保険料金額(一般事業会社の売上金額)」で比較した国別の順位では、生命保険市場が約40兆円で第2位、損害保険市場は約11兆円で第4位になります。このように日本の保険市場は非常に大きく、大規模な保険会社の数も多い。それゆえに、これら保険会社からの、監査やアドバイザリー業務のニーズは非常に高い状況です。一方、保険会社はその業務内容や内部統制、財務報告会計、リスク管理などが一般事業会社と異なるため、監査やアドバイザリーサービスを保険会社に提供するには、保険業界についての深い専門性が要求されます。しかしながら、保険という専門性を持った会計士の数が限られていることから、十分なスキルを持った会計士の需給がアンバランスになっているのが現状です。

保険という業種を軸にした
さまざまな業務機会

第二金融部は保険に特化した部門ですが、その部門内には、監査を行うグループ、アドバイザリーを行うグループ、そして保険数理を扱うアクチュアリーグループの三つのグループが存在します。つまり、第二金融部では保険という業種の専門性を軸にしながら、監査業務、アドバイザリー業務、アクチュアリー業務という異なる業務内容を経験できるということです。また実際、所属グループとは異なるグループの業務を兼務することも奨励されています。例えば、監査グループに属しながら、さまざまなアドバイザリーサービスを提供しているメンバーもいれば、アクチュアリーグループに属しながら、監査業務に従事しているメンバーもいます。この三つのグループ間での異動は部門内異動であるため、通常の部門間異動と比べて非常に垣根が低く、柔軟に行われています。さらに、第二金融部には、保険を軸としたさまざまな外部への出向プログラムがあります。PwC米国やPwC英国の保険プラクティス、金融庁保険課、保険会社など、出向先は多岐にわたります。私自身、PwCニューヨーク事業所の保険プラクティスに3年間出向し、アメリカ大手保険会社の会計監査を経験しました。このときの経験は自分の専門性をより高めてくれ、当時築いた人脈は、今でも自分の大きな財産となっています。

保険会社へのサービス提供経験に基づいた
多様性のある専門性

サービスの提供先が保険会社のみとなると、保険会社以外は対応できない会計士になってしまうのでは……という不安を持つ方もいるかもしれません。しかし実際には、業種横断的な専門性というものは、保険会社に対してサービスを提供していくなかで自然に身に付いていくものです。例えば、日本の大手国内保険会社は、日本人口の減少に伴う国内保険市場の縮小に備えて、海外の保険会社の買収を積極的に行っています。そこで、そのような保険会社の多くに対してわれわれが提供している典型的なサービスに、買収時の会計処理(企業結合会計)に関するアドバイザリーサービスがあります。企業結合会計は複雑な会計基準で行われますが、このようなサービスを複数社に対して提供することで、業種をまたがる「企業結合会計」という専門性が自身のスキルとして得られるのです。これは一例でしかなく、他にも保険会社に対してサービスを提供することで、業種横断的な専門性を身に付けることができる例はたくさんあります。