SEからCISA(公認情報システム監査人)へ

SEが見つけた“監査法人への転職”という選択肢。なぜ“監査”で、なぜ“あらた”だったのか。

SIerから社内SEへ。企業システムの開発と運用を学んだ10年間。

新卒で入社した会社はシステムの受託開発を行う独立系SI企業。プログラミングやテストなどの下流工程が業務の中心でした。エンジニアとしての基礎を習得するには充分な環境でしたが、3年ほど経験を積んだ頃から、次第によりクライアントのニーズに近いポジションでシステム開発を行いたいと思うようになりました。しかし、独立系SIでしたので、ユーザー系SIやメーカー系SIからの下請け開発が主体。要件定義やシステム設計などの上流工程に携わるチャンスには恵まれていませんでした。

その後、外資系広告代理店の情報システム部へ転職。社内SEというポジションに就き、ERPの導入や社内システムの開発に従事しました。社内SEにとってのクライアントは社内ユーザー。直接ユーザーの声を聞きながらIT環境の改善に勤しむ日々を過ごしました。また、当初は組織が若く人員も充分でなかった為、システムの開発を行う一方で、社内のヘルプデスク、またはサーバーやネットワークなどのインフラの管理など、ITに関する幅広い業務を担っていました。開発だけでなく、運用をはじめとする広い範囲でのIT業務を経験できたのは大きな財産となりました。

桒野 拓麿
システム・アンド・プロセス・アシュアランス部
CISA(公認情報システム監査人)

きっかけは “ビジネスプロセス”と“内部統制”への興味。一般的なSEとしてのキャリアパスとは違う未来を描きたかった。

一般的にエンジニアにはテクニカルな面を追求してゆく“技術志向タイプ”とシステムの企画・設計を主とする“業務志向タイプ”の2つのパターンが存在するといわれます。エンジニアとしての経験値から自然とどちらかのパターンに決まることが多いようですが、私の場合はどちらとも言えず、両者の中間タイプでした。開発と設計を同時に行う社内SEとしては珍しくないタイプだと思います。将来のキャリアパスについて具体的に考えたときに、自分の目指すべき方向性を特定する決め手に欠けていたといえます。

そんな私にきっかけを与えてくれたのは、前職において、ある時社内の大きな課題として挙がったUS-SOX法の404条対応。USに本社を置く外資系企業でしたので、コンプライアンス体制やビジネスプロセス、内部統制などを整備し、社内のプロセスとシステムを抜本的に改善する必要に迫られました。そこで、初めてシステムと内部統制の関係について意識的に考えるようになりました。ITスキルにばかり目を奪われていた私にとっては非常に新鮮で、ビジネスプロセスや内部統制について理解を深めるにつれて、他の業界のビジネスにも興味を持つようにもなりました。監査法人でのシステム監査という職種に興味を持ち始めたのもこの頃です。ITのスキルを活かしながら、いろいろな企業のシステムを見ることができるかもしれない、最初はそんな単純な動機でした。

監査法人というと、会計士の方を中心に構成されていますので、いざ転職するとなると消極的になってしまう方もいると思います。実は私もその一人でした。ところが、実際にあらた監査法人で面接を受けてみて、そのような消極的なイメージはすぐに解消されました。当然のことながら、会計士の方々は財務と会計のプロフェッショナルですが、“あらた”のSPAのスタッフもまたITのプロフェッショルの集団であり、会計監査をITの側面から支えるという自負を持って働いているということを感じることができたからです。社内SEからシステム監査人への転身。決断するのに長い時間は必要ありませんでした。

ソリューションカットではなく、あらゆる経営やビジネスのプロセスから企業のシステム全体を把握できるところがシステム監査の大きな魅力。

SEの場合はソリューションカットのプロジェクトが主体ですので、企業のある限定された課題や業務の一部が対象範囲となりますが、監査業務は、企業のビジネスプロセスの中でITがどのように活用されているか理解しながら、企業の持つIT環境の全体像を把握することから始まります。特に会計監査の一環としてシステム監査を行う場合、企業内のシステムが財務諸表に及ぼす影響範囲を適切に把握する必要があります。M&Aの結果、社内のシステムが複雑化しているケースや、新旧のシステムが混在しているケースなどもあり、クライアントによって状況は様々です。監査の対象システムに漏れがあっては適切な監査を実施したことになりませんので、IT環境やビジネスプロセスを理解することは非常に重要な作業です。ビジネスとシステムの連携、経営者のシステム戦略などに興味を持って取り組めること、システム監査は魅力のひとつではないかと思います。

やりがい=“システム監査の有効性”に気付いてもらうこと。

現在、日本の多くの企業が内部統制の構築に力を注いでいますし、全くITを利用せずに企業活動を行っている会社はないといってもいい状況です。クライアントにもよりますが、監査というと何か指摘を受けるのではないかという思いから、消極的なイメージを持たれる方もいます。しかし、システム監査の本来の目的はシステムが正しく動作することを合理的に保証することですから、企業の情報システム部の本来の目的と合致しているはずです。

例えば、私は前職においてシステムの開発と運用を同時に行っていた時期があり、自分のプログラミングやデータ操作にミスがあった場合に、ひょっとすると財務データに影響を及ぼすかもしれないという不安を持って作業していました。いわゆる職務分掌の不備だったわけですが、内部統制について勉強して初めて、そういったリスクについても明確に理解することができました。これは単純な例ですが、システム監査を通じて、同じような状況に置かれているクライアントの不安を解消することができるかもしれません。稀ですが、情報システム担当者の内部統制に対する意識が高く、社内の意識を高める為にも、強めに指摘事項を挙げてほしいというクライアントもいます。クライアントの業務の改善や効率化に結びつくような提言をすることで、あらた監査法人のシステム監査を受けて良かったと思ってもらえたらいいですね。

ITスキルからビジネススキルへ。人として大きく成長できる職業。

システム監査というと、プログラムが正しくコーティングされていることを検証するために、全てのプログラムを精査すると思われる場合がありますが、実際にソースコードやアプリケーション、またはOSやDBなどのプロダクトに触れる機会は少ないです。技術志向の強いエンジニアの方には物足りないと思われるかもしれません。しかし決してITの先進性から取り残されるわけでもなく、クライアントを通して、業界の動向やシステムのメインストリームを把握することもできますし、IT業界の動向に目を向けておく必要もあります。また、データアシュランスの分野では、PwCは業界の中でも先進的な手法を取り入れていますので、今後その分野では独自のスキルが確立するのではないかと思っています。

システム監査は開発と違って、プロジェクトの期間やチームが細かいのも特徴です。あらた監査法人は多くのクライアントを抱えていますので、性質上同じような時期に仕事は集中します。様々なマネージャーやスタッフと連携しながらジョブを進めていく必要があるので、人材やスケジュールの管理などのマネージメントスキルも鍛えられます。

また、CIOやIT担当役員といったクライアント企業の重役クラスの方と直に接する機会も少なくありません。適切なコミュニケーションスキルや対応が求められることはいうまでもありません。また、あらた監査法人はPwCのメンバーファームですから、クライアントが外資系の企業の場合、英語でのコミュニケーションを求められる場面もあります。

IT、会計、英語と昨今のビジネスパーソンに求められるスキルが揃っています。エンジニアではなかなか得られないようなスキルや経験も、システム監査を通じて身に付けることができます。

あらゆる業種のビジネスプロセスに精通した、内部統制のプロフェッショナルを目指したい。

SPA部で働いていて素晴らしいと感じるのは、一人ひとりのスキルを大切にしつつ、他の人からもスキルを吸収し、皆が成長してゆこうという意欲に満ちているところ。分からないところはお互いに情報を交換し協力し合う雰囲気に満ちています。それから、組織の風通しが良く、上層部から法人内におけるSPA部のポジションや今後の方向性などについて定期的に報告する場が設けられています。また、個人のスキルやキャリアパスを考慮した効果的なアサインメントについても、上層部は積極的に取り組んでいますので、今後はより適材適所の精度が上がることが期待できます。また、自分がやりたいことは積極的に発言できる機会に恵まれていますので、一人ひとりが自分の将来のビジョンを持って働いています。私の場合、現在は金融系のクライアントが中心ですが、今後は製造業などの他の業種にも係わりたいと思っています。将来は様々な業種のビジネスプロセスに精通した、内部統制のプロフェッショナルを目指したいと思っています。

培ってきたITスキルとキャリアが活きるシステム監査。転職の一つの選択肢としてもっと知ってもらいたい。

SPA部に在籍しているスタッフのうち、過半数は前職がSEやERPの導入コンサルタント出身の中途採用者。監査の経験がない人がほとんどです。また、特定のITスキルに限定した人材を求めていません。どのようなITスキルであっても活かせる場面が必ずありますし、前述の話でもありましたが、スキルに応じて適材適所のアサイメントが行われているからです。ITに関わってきた人たちが自身のキャリアについて考えた時に、システム監査という道が開かれていることを多くの人に知ってもらいたいと思います。

あらた監査法人はスタッフ同士がお互いに良い影響を受け合いながら成長してゆける最高の職場です。今、“あらた”で働けることを本当に嬉しく思っています。