監査法人からの独立とMBA取得を経て、IPOアドバイザリー業務へ

監査法人というより、プロッフェッショナル・コンサルティング・ファームに入った感覚。

ベンチャーキャピタル以上のハンズオン的なサービスがしたかった。

在学中に公認会計士試験に受かった私は、大学卒業と同時に新卒採用で大手の監査法人へ入りました。しかし、もっとクライアントに対して深く関わるサービスを提供したいと思うようになり、独立という道を選びました。

独立してからは、自分と同じように独立した会計士と共にIPOコンサルティングや会計監査に関連のサービスなど、クライアントごとにプロジェクトチームをつくって、オーダーメイドに近いサービスを提供していました。当時、一緒に仕事をしていたメンバーには会計士が多かったので、ファイナンスに関するアドバイザリーサービスを強化するために、私が率先してその分野での知識を蓄えました。証券アナリストや国際公認投資アナリストの資格はこの時期に取得したものです。

その後、経営戦略などの経営者の視点に立ったアドバイザリースキルと、企業のグローバル化に伴う英語力をもっと高める必要性を感じた私は、2006〜 2007年までイギリスへ留学し、MBAを取得。帰国直後は、ベンチャーキャピタルへの転職も視野に入れていたのですが、アドバイスが短期志向的に行われているように見受けられ、インキュベーターとしての役割が担えるのかどうか疑問に思いました。それよりも、あらた監査法人のIPOアドバイザリー部にいれば、本当にしたいと思っていたハンズオン的な深いサービスができるのではないかと考えました。

越田 勝
IPOアドバイザリー部
シニアマネジャー
公認会計士
社団法人日本証券アナリスト協会検定会員

また、イギリスの留学時代にPwCのプレゼンスの高さを目の当たりにしてきたことも大きかったですね。クロスボーダー案件も含め、これまで身につけてきた能力を、より大きなフィールドで最大限活かすことができそうだというところにも魅力を感じました。海外のPwCネットワークはもちろん、国内でも PwCのメンバーファームである税理士法人やアドバイザリー株式会社があるので、互いに連携して、クライアントにとってよりフレキシブルなサービスが提供できます。監査法人に戻ったというよりも、以前からやりたいと思っていたIPOアドバイザリーを行える環境があるところ、それがあらた監査法人だったのです。

IPOはゴールではなくスタート。公開に向けた体制づくりの局面は、経済を牽引する大きな力を創出するチャンス。

話をもっと根源的なところに戻しますが、もともと私がIPOに興味をもつようになったのは、監査法人で会計監査をしていた頃に感じていた物足りなさに起因しています。私が大手監査法人で勤務していた当時、通常の会計監査では、発見事項を指摘しても、なかなか積極的に動いてもらえないことが往々にしてありました。聞き入れてもらえても、決して喜んでという訳ではなかったですしね。でも、IPOという局面では、当時からどんな経営者でも必死になって指摘したところを改善しようと努力してくれました。打てば響く、確かな手応えがありました。また、IPOでは、当時も今もクライアントごとに問題になってくる事柄は全く異なります。例え、同じような問題であっても優先順位が違っていたり、二つとして同じ事例はありません。そして、それらは常に時代の変化を反映しているところもまた面白いですね。

IPOに関連することに対して興味をもって勉強していくうちに、あることに思い至りました。日本の経済、マクロ経済のことを考えると、IPOの際にこそしっかりとした体制を整えることが重要であるということを。IPOという局面で経営者は、人生で一番真剣になって考えます。だから日本経済を牽引していく力が、その部分に凝縮されているのでは、と。そのタイミングで、(単に公開の審査をパスするためだけのアドバイスではなく、)もっと積極的にもっと高次元で働きかければ、日本、そして世界の経済をさらに発展させていくことも可能です。一旦公開さえできればそこで終わり、というものではありません。その会社にとっても日本の経済にとってもその後の方が実際には重要。公開はあくまでもゴールではなくスタート。最も効果的かつ効率的なのは、企業が能動的に変わろうとしているそのタイミングで働きかけることだと思っています。

それに加え、単に会計や内部統制といった側面だけでなく、金融・財務・人事・マーケティング・戦略に関することであったり、経営者の目線であったりと、総合力が試される仕事です。知識や経験だけでなく、持てる限りの人脈までも駆使していかなければならないので、やりがいはこれ以上ないほどですね。

PwCのグローバルなネットワークとチームワークを駆使したIPOアドバイザリー業務。

IPOアドバイザリー業務と言っても、その職域はとても広く、ざっと思いつくだけでも、IPOへ向けての課題調査と改善プランの提案、経営計画の策定、予実管理、内部管理体制整備に関するアドバイザリーなど多岐にわたります。また、ベンチャーキャピタルや証券会社などからの相談も受け付けています。

さらに、ここ最近の傾向ですが、海外上場を目指そうかと考える日本企業が増加しており、PwCのグローバルなネットワークを期待したクライアントからの問合せ・相談も増えてきています。既存のスキームをどうリストラクチャリング(再構築)してIPOすれば良いのか、また、その場合税務上・法律上どういった問題が考えられるか、PwCのネットワークをフルに活用した、あらただからできる高品質で付加価値の高いサービスを提供しています。

法人自体も各部署も、組織が新しく、想像以上の自由さがあります。特に、IPOアドバイザリー部は30名ほどの少数精鋭なので小回りがきくというか。業務やプロジェクトの進め方は自分で好きに描いていけますし、フォーマットやテンプレートにそれ程こだわる必要もありません。今まで経験してきたことを活かしやすい環境にあるのではないでしょうか。

今後は、クライアントの企業価値向上につながるアドバイザリーをさらに追求していきたいと考えています。そのために、自分のスキルをさらに高めると共に、 PwCグループ内外問わずネットワークもさらに拡げ、自分でできない部分は補完してもらって、ワン・ストップ・ショップとして機能し得るようなチームワークや体制の構築を目指していきたいと思っています。

財務・会計をコアとするプロッフェッショナル・コンサルティング・ファーム。

実際にあらたで働くようになって感じたことは、風通しの良い組織であるということ。そして部署内、法人内、PwC内でのネットワークが想像以上に強いということですね。それぞれがもつ専門性を発揮して、互いに補完し合いながら、ベスト&ベストでスムーズな組み合わせができます。いわゆる日本国内の典型的な監査法人とは異なり、財務・会計を核にしたプロッフェッショナル・コンサルティング・ファームという印象です。

若い組織なので、実力次第ではスピーディーに上のポジションへ上っていける可能性が高いようにも思います。また、私のような、監査法人から独立してIPO アドバイザリーサービスを行っていたような人にも向いているかもしれません。独立していれば雑務に追われ、やりたい仕事だけに専念することは難しいかも知れませんが、まだ若い組織であることもあって、恵まれた環境の中、自分の興味のある領域に集中して、自由な発想で仕事をデザインできる余地が広いと思いますよ。

また、様々な経験を重ねる中で、もしも当初思い描いていたものとは全く異なるキャリアパスを形成したいと思ったなら、それも可能です。オープンエントリープログラムもありますし、随時社内公募も行っていますからね。

IPOという局面では、会計だけでなく税務・ファイナンス・マネジメント・ITなどのプロも必要。

IPOという局面では、多くのファクターが絡み合うため、物事を多面的に見られなくてはいけません。ですから、色んな人がいていいと思うのです。必ずしも公認会計士の資格が必要という訳でもありません。会計だけでなく税務・ファイナンス・マネジメント・ITなどのプロも必要。毎回プロジェクトに適したチームを編成し、メンバーそれぞれの専門性を活かした総合的なサービスを提供しています。

もちろん、会計士としての経験は活かせますし、監査の知識は必要なものではありますが、監査以外の経験が浅い人材がIPOなどのアドバイザリ—業務に取り組む場合、マインドセットを切り替えた方がいいのかもしれません。監査は、基本的に受動的な側面が多いとも言えますが、アドバイザリーではもっと想像力を働かせ、仮説を立てて積極的に自分からクライアントの深部にある課題まで切り込んでゆき、発見事項を伝えるのみならず、私達が最適なソリューションを提案しなければいけません。

また、クライアント内でプロジェクトチームを立ち上げて、指揮を執り、チームの方々に動いて頂かないといけないようなこともあります。そうした場合、微妙な調整やマネジメントの能力は求められてきますね。いろいろな状況変化に対する“反射神経”も必要でしょうし、“愛嬌”も必要なんじゃないでしょうか。『態度は大きく、腰は低く!』・・・などと冗談を言ったりもしていますが、ヒューマンスキルもプロジェクトの成否に影響してくると思います。