![]()
システム・アンド・プロセス・アシュアランス部(略称、SPA部)は、アシュアランス部門に所属しており、現在、約150名のIT及びシステム監査に精通したプロフェッショナルが在籍しています。メンバーの過半数が、監査業務に関わるようになってまだ3年未満という比較的若い組織です。
私たちは、財務諸表監査や内部統制監査の中で、ITに関する専門性を活かし、ITに係る内部統制をはじめとした内部統制の評価業務を主として担当しています。さらに、部の中にデータマネジメントグループと呼ばれているグループが組織されており、不正に関する監査手続のためのデータ分析や解析にも取組んでいます。このようにSPA部は、ITに関する専門性を活かした監査業務のサポートを行っています。

木村 浩一郎
システム・アンド・プロセス・アシュアランス部
部長
代表社員・公認会計士
昨今、US-SOX 404条やJ-SOX法の施行に伴い、内部統制への意識は各企業共に高まっており、国内企業の内部統制は確実に改善されてきています。そのため、今後財務諸表監査を行っていく上でも、有効な内部統制が整備、運用されていることを前提とした監査アプローチの採用度合いがより一層高まっていくものと考えています。また、一通り整ったコンプライアンス体制をより効果的かつ効率的なものにブラッシュアップしていく、“内部統制の最適化”というサービス提供の必要性も、今後高まってくることは想像に難くありません。このような状況の中で、強く求められるのがITに関する深い専門性です。現在、ビジネスプロセスの最初から最後まで、どの過程においてもITを活用せずに処理しているということは極めて稀です。もしITについての知識がなければ、“内部統制の最適化”のための議論すらできないのではないかと思います。例えば、ERPで何ができるのか、どのような機能をもっているのか、そういったことを広く深く理解してこそ、最適化を推し進めていけるのです。
コンプライアンスという面に留まらず、経営全般を見渡した上で、その企業のもつ潜在的なリスクとそれを回避するための内部統制の在り方を、世界最大の会計事務所であるPwCがグローバルに開発し蓄積してきたベストプラクティスに基づいて最適化すること。これが私たちの提供する“内部統制の最適化”というサービスです。国際的にはUS-SOX 404条を筆頭に各国における数年の実績と、どこにリスクがあるのか、それに対してどのような統制を設けているのかという業種別のベストプラクティスに関するノウハウがあります。それらを基に開発したツールを使うからこそ、本番を迎えるJ-SOXに関し、一歩先のオプティマイゼーションという提言ができるのです。
また、2008年4月よりXBRLがEDINETで強制適用されることになりました。四千数百社もの上場企業の膨大なデータが一度に揃うのですから、利用者にとっては大変に価値のあるものです。一般投資家向けに、こういったデータの利用が可能になることは世界に先駆けての取り組みであり、それに対するアシュアランスのニーズも必ず出てくるものと睨んでおり、そのニーズに対応するのがデータマネジメントグループの役目であると考えています。データレベルでのアシュアランスのニーズは、XBRLに限らず高まっていくことが見込まれるため、私たちSPA部にとってデータマネジメントグループの人材拡充は急務となっています。
IT全般統制と自動化統制、データ分析のみに留まらず、内部統制のオプティマイゼーション、データレベルでのアシュアランス・・・以上のSPA部の柱となる業務及びサービスについては、基準が定まっていないものもありますが、これらについては基準づくりも含め、時代や技術の先を見越した取り組みをしていきたいと思っています。
監査法人によって、クライアントポートフォリオも違えば、クライアントに対するアプローチの仕方も異なります。私たちあらた監査法人は、国内企業と海外企業、両方の案件をバランス良く有しており、金融クライアントの割合が高く、他法人に比べてデータ分析に重きを置いているといった点が特徴であると思います。SPAという言葉は私たち独自のものですが、他の法人であらたのSPA部に相当する部署で働いている方にとって、これらが最も比較検討しやすい事項かもしれません。
つぎにSEの仕事と比較検討してみると、以下のような点が私たちの仕事における良い面での特徴として挙げられると思います。例えば特定の企業のSEとしての仕事をされている場合には、その企業のシステムにしか触れられません。また、外部のSEとして顧客企業のシステムを構築する仕事をしている場合には、得意とする分野のシステムを長年継続的に構築しているケースも少なくないのではないでしょうか。いくら経営におけるシステムの価値を分かっていても、限られたシステムにしかふれていなければ、実際問題としてどのように改善していけば良いのか、よいアイディアも出にくいのではないかと思います。監査法人においては業種別に担当は振り分けられているものの、そのカテゴリに属する様々な企業の様々なシステムやその使われ方に接することができます。インプットする情報が多ければ多いほど、ITの観点から経営者サイドに、より有用な提言をしていくことができるようになると私たちは考えており、この点が私たちの業務の特徴であると考えています。
また、コンサルティングファームから当法人にジョブチェンジする方も多くいます。その転職理由の多くは、ここでの仕事がより経営に近いところで、ビジネスプロセス全般を守備範囲としながら、システムや内部統制のあるべき姿を提言していけることにあります。コンサルティングファームでは個々の問題に適したソリューションを用意し、提供する専門家を揃えているわけですから、必ずしも一人がビジネスプロセスの最初から最後まで関わっていけるとは限りません。しかし、監査法人で行っているサービスというものは、クライアントのビジネスプロセスの最初から最後までを把握した上で、どこにリスクがあり、どのような統制が望ましいのかを見極めるところまでを、そのビジネスフィールドとしています。さらに、ITを駆使して自分が経営全般に関してどこまで貢献できるかを追求していける面白さもあります。
一方、データマネジメントグループでは、SQLやデータベースソフトウェアの操作経験のある方が活躍しています。グループが行っているのは、PwCのメソドロジーやツールを使用した、高度でより先を見通したデータ解析です。膨大なデータから異常なものを見つける作業となるため、データの扱いに慣れた人であれば、監査の知識が現在なくても、実務を通じて習得することができます。
SPA部で携わることのできる仕事の魅力は、幅広いITに接することができることです。それらは、様々な企業での実際の利用例なので、ある意味非常に先進的な使い方に触れることができます。また、企業の経営者、あるいは経営者に近い人物に直接インタビューし、その内容を自分の中で咀嚼してから監査にフィードバックする仕事などは、直接経営者に接することができるというやりがいもあります。
また通常のコンサルティングでは、目の前のクライアントの要望を満たし喜んでいただくことを最優先とする訳ですが、アシュアランス業務はクライアントを取り巻くすべてのステークホルダーを守ることを使命としています。つまり私たちは、クライアントが多くのステークホルダーから信頼されるように、ITも駆使しながらその体質を強化するお手伝いをしているわけです。したがって、監査にあたる個々人の正義感や使命感はとても大切です。
先日、PwCの世界各国のSPAリーダーが集まる会合に出席した際に再認識しましたが、システム監査においてどの国でも悩んでいる部分は同じです。PwC のメンバーファームでは同じメソドロジーとツールを共有しており、どこの国でもPwCの一貫したクオリティによるアシュアランス、アドバイザリーの提供が約束されています。それがクライアントにとっての最大のメリットなのです。
そのような背景の中、PwCではグローバルネットワークの強化と人事交流の活性化が進められ、あらたのメンバーが海外へ研修に行ったり、海外のメンバーがあらたに赴任するなど、グローバルな業務経験を積むチャンスも大きく与えられています。SPA部に限定しても、世界共通の研修プログラムが多数用意されており、たとえばITバックグラウンドを持つ人たちのための監査の研修、(時代とともに進化してゆく)監査メソドロジーのアップデート研修、ITに関する研修などがあります。グローバルな規模の研修であれば、マネージャーやシニアスタッフが代表で海外研修に参加し、その内容を習得した後に国内で講師となって研修を開催します。

私たちが求めるのはT字型の人材です。幅広い知識と、得意分野に関する深い専門性を要求します。現在、メンバーのスキル・ポートフォリオ・データベースを整備すると共に、クライアントのIT環境に関するデータベースも作成しています。どのようなニーズがあり、それに対して当法人が保有する人材のスキルが足りているかどうかを見比べる。それによって、スキルが足りないところがあれば、随時研修を開いたり、人材強化を検討したりする判断材料にしているのです。また、前述の海外研修へ派遣する人材を選定する際にも、このスキル・ポートフォリオを参照しています。個々のサブジェクトを見て、研修の内容を得意とする人材に、今後部を牽引するイニシアチブを執ってもらうこと、リーダーシップを発揮してもらうことを期待して派遣しています。
私が常に心掛けていることは、組織の風通しを良くしておくことです。ITと一言でいっても、すべてを一人でカバーできるものではありません。プロフェッショナルが複数集って力を合わせるからこそできるサービスとその価値があります。そのメンバー同士が、お互いに分からないところは教え合いながら、目の前の問題を解決していくことが私たちの業務の基本です。そしてそのような場面で少しでも多くの貢献ができるように、私たちは日々切磋琢磨しているのです。
新しい組織であるため、足りない部分はまだまだあります。しかし、だからこそ、部内にはもっとSPA部をよくしたい、自分のスキルを高めていきたいという気概が溢れ、皆向上心に満ちています。その気持ちを組織運営に反映していきたいと強く感じます。
自発的に学び、自分をブラッシュアップしていくことに意欲的な集団。その姿勢は相乗効果を生み、個々のメンバーのモチベーションとレベルアップに直結しています。メンバーのベクトルは同じ方向、そして常に今よりももっと上を向いています。このような働き方を希望される方にとっては、最高の職場環境ではないかと思います。